居抜き物件はコストの合理化が可能である一方、どの程度改修を行い、どれだけの完成度を追求すべきかの判断が難しかったのを覚えています。要望を実現しながらもコストパフォーマンスを最適に保つための綿密なコミュニケーションや調整は決して容易なものではありませんでしたが、その過程そのものが自身にとって大きな学びとなりました。
「映像から未来をつくる」というビジョンのもと、クラウド録画サービス「Safie」をはじめとした映像プラットフォームをグローバルに提供しているセーフィー株式会社。
弊社はプロジェクトマネジメント及びデザイン監修として関わりました。本プロジェクトは単なる移転ではなく、将来を見据えて大きくステージアップするフェーズにありました。2つの異なるビルで機能していたオフィスを1フロアに統合できる大型オフィスビルへ移転するという、会社にとってメモリアルなプロジェクトとなりました。
“ブランド体感”と“遊び心”を軸とした「Safie City」
ポストコロナの時代に求められる働き方やオフィスを検討するにあたり、トップインタビューを基に課題や要件を収集。これをもとに、「QOW・QOL・Branding向上のための施策」という3つの軸を設定しました。
こうした前提のもと生まれたデザインコンセプトは、「みんなが来たくなるオフィス(出社したくなる=遊び心のある空間)【Safie City】」。街や工事現場の映像を捉えるセーフィーの事業になぞらえて、オフィスの中に街的なコミュニティハブを計画しました。
執務エリアには「ファクトリー」「プラザ」「ライブラリー」「パーク(空き地)」と呼ばれるコミュニケーションの起点となる場を設けています。
社外へブランディング力を表現する場となる来客エリアのデザインは、あえて未完成な部分を残した設えとする事で、今後もさらなる成長を続ける、セーフィーのベンチャー気質を表現しています。
また、ゲストへ向けて「体験型ショールーム」を設置。計画段階では、営業部の方にもご参加いただき、自社製品の特長をより伝えられるショールームを計画しました。
居抜き物件はコストの合理化が可能である一方、どの程度改修を行い、どれだけの完成度を追求すべきかの判断が難しかったのを覚えています。要望を実現しながらもコストパフォーマンスを最適に保つための綿密なコミュニケーションや調整は決して容易なものではありませんでしたが、その過程そのものが自身にとって大きな学びとなりました。
急速に成長を遂げスケールアップすることで、環境も働き方も大きく飛躍する。「企業にとって極めて重要なフェーズに立ち会えあえた」ということが、強く印象に残っています。そうした貴重な段階を見届けられたことは、他の何にも変えがたい大切な体験となりました。また、プロジェクトの進行中もオフィス環境が大きく変化するが故に出てくるクライアントの懸念点や大胆な決断を、共有しながら伴走する体制を取っていました。その過程一つひとつが勉強になり、自分の糧として吸収できたと感じています。
2023年7月に完了した本プロジェクトは、施主であるセーフィー株式会社のワークプレイスについて、株式会社ディー・サインがデザインディレクション及びプロジェクトマネジメントを担当したプロジェクトです。
オフィス
1,000坪〜
メーカー
本プロジェクトでは、プロジェクトの全体的な方向性や目指す世界観を明確にするクリエイティブディレクションを担いました。経営層へのヒアリングを行い、導き出された企業の課題やオフィスに求める価値、ワークスペースや社員への想いをデザインコンセプトへとしっかりと反映していきました。求められる要件や目的を具現化する為のデザインアプローチを策定する事で、オフィスを利用する人々の生産性、働きがい、帰属意識につながるワークスペースとして満足してもらえたと実感しています。